【記事】エルクホーン湿地帯はラッコのベビーブーム | Elkhorn Slough is booming with baby otters

本日は2016年2月19日付のSanta Cruz Sentinel Environmentから、"Elkhorn Slough is booming with baby otters"をお届けします。エルクホーン湿地帯は外海の厳しい環境から守られた場所で、十数年の間にカリフォルニアラッコの個体密度が最も高い場所となり、多くのメスラッコが出産・子育てをしています。

モスランディング>> エルクホーン湿地帯はラッコのベビーブームだ。生態系とラッコたちにとってはいいことだと科学者らは言う。

 

最新の学術調査によると、この河口部には12頭の年齢も様々なラッコの子どもたちが住む。ティム・ティンカーとアメリカ地質調査所、モントレーベイ水族館、エルクホーン・スルー・ナショナル・エストゥアリン・リサーチ保護区そしてカリフォルニア魚類野生生物局によるチームは、ラッコの行動と生態系を知るため、2013年以降25頭のラッコにタグづけを行っている。

 

メスのラッコは一年を通じて妊娠可能だが、カリフォルニアでは11月から3月にかけてが出産のピークになる。今のところ、湿地帯における子どもの数は昨年と同様だとティンカーは話す。

 

「ラッコたちが繁殖し、健全な個体数であるというのは本当にエキサイティングです」とティンカーは言う、「ラッコは河口域の環境においても繁殖できるということが分かり、私たちもまだそれについて学んでいるところです」

 

しかし、ラッコの子どもを数えるのは簡単ではない。新しい子どもが生まれ、成長した子どもが独立するため、常にその数が変わるからだ。

 

「子連れのメスは水路の中に身を潜めていることが多いですね。こうした水路は一般人の立ち入りは禁止されています」

 

しかし、この子どもの個体数は今や13頭になった。木曜の朝、新しい赤ちゃんがこの世界に仲間入りしたのだ。

 

「お昼ごろ、湿地帯に1マイル(約1.6㎞)ほど入ったところでこの生まれたばかりの赤ちゃんを見つけました」そう言うのはエルクホーン・スルー・サファリ・ネイチャー・ツアーの代表、ジョー・マンシーノだ。

 

この湿地帯には約80頭のラッコが暮らしている。

 

「私たちがタグづけを行ったメスのラッコは、一度もこの湿地帯から離れたことがありません」とティンカーは説明する。「メスのラッコたちはそこに住み、それがそのラッコたちの世界の全てなのです」

 

時折、湿地帯のラッコの数は120頭にのぼることもある。しかし増加した分のラッコは一時的、つまり湿地帯に出たり入ったりするラッコなのだという。

 

ティンカーによると、この湿地帯に常にラッコが定住するようになったのは2000年代初めだそうだ。

 

歴史的にはサンフランシスコ湾や沿岸の河口部には数千頭のラッコが生息していたという。しかし1900年代初め、毛皮産業がロシアからアリューシャン列島、カリフォルニア西海岸にわたる本来の生息域のほとんどから、ラッコを消し去ってしまった。

 

ラッコの個体数は数十万頭から約2,000頭まで激減してしまった。今は約3,000頭まで回復している。そしてラッコが復活を遂げ、エルクホーン湿地帯へも戻ってくるようになったとティンカーは説明する。

 

「いつか、サンフランシスコ湾やドレイクス・エステロ、トマレス湾にも戻ってくるでしょう」

 

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そうした復活は、よい結果をもたらす可能性もある。

 

ラッコが戻ってきたことで、エルクホーン湿地帯の生態系の健全性にはよい影響があった。ラッコがやってきた際、ラッコたちは主にカニを食べていたとティンカーは言う。カニはウミウシのような小さな海洋生物を食べるが、そのウミウシはアマモを覆う藻類を食べる。従って、カニが減って藻類を食べる動物が増えれば、アマモが繁殖できるのだ。

 

「エルクホーン湿地帯においては、藻類に窒息させられてしまうような最悪なアマモ棚から、今や西海岸で最も健全なアマモ棚へ変貌を遂げました」とティンカーは言う。「私たちが知る限り、これは全てラッコが戻ってきてくれたおかげです」

 

湿地帯に住むラッコたちは、比較的守られた生活を送っている。サメによる噛みつきが沿岸に暮らすラッコにとっては最大の脅威だとティンカーは説明する。しかし、湿地帯に住むラッコにはそのような捕食者が少なく、また陸に上がって休むこともできる。

 

休むことはラッコにとって非常に大切だ。24時間のうち、ラッコは5回から7回食事する。その間に寝て体温を元に戻す必要があるとティンカーは話す。

 

湿地帯のラッコにとって一番の懸念事項は、カヤックに乗った人間が寝ているラッコに近づいて邪魔をすることだという。

 

「ラッコにとって、寝て毛を乾かし、また毛を乾いた状態に保つことは本当に重要なのです。そうすることにより、海洋環境で体温の喪失を減らすことができるからです」とティンカーは言う。

 

ラッコは絶滅の恐れがある種であり、つまり、ラッコに対して妨害行為を行うのは違法になる。

 

 

エルクホーン湿地帯のラッコカメラを見るにはこちら
www.elkhornslough.org/ottercam

Santa Cruz Sentinel Environment

Elkhorn Slough is booming with baby otters

POSTED: 02/19/16, 5:20 PM PST By Bethany Augliere