【記事】ギビング・チューズデーに寄付すべき5つの理由 | Five Reasons Why #YouOtterGive on #GivingTuesday

 本日は2015年11月20日のShedd Aquariumのブログより、"Five Reasons Why #YouOtterGive on #GivingTuesday"をお届けします。

アメリカでは11月の4週目の木曜日はサンクスギビング(感謝祭)という祝日。その翌日はブラックフライデーと呼ばれ、小売店が大セールを行う日、翌月曜日はオンラインショップがセールを始めるサイバー・マンデーで、ホリデーシーズンに向け市民が「爆買い」を開始する日になっています。数年前からはじまった「ギビング・チューズデー」というムーブメントは、サンクスギビングの翌週火曜日、「買う」のではなく「与えよう」というコンセプトに基づき、寄付活動を推進する日となりました。

ラッコはとてつもない量のエサを食べます。大量です。


この、最も小さく、最も毛がふわふわの海獣は、低体温症を引き起こす太平洋において、唯一断熱の働きをする厚い脂肪層を持っていません。ですからラッコの代謝は、恒温動物として体温を維持するため、いっぱいいっぱいに燃料を供給し続けなければならない、燃える溶鉱炉のようなものなのです。


シェッド水族館の5頭のラッコたちは毎年25,000ポンドーそれは12.5米トンに当たりますー(約11.25トン)のレストランに出せるほど新鮮で、持続可能な方法で採取されたシーフードを平らげます。その中には10,000ポンド(約4.5トン)の持続可能な方法で養殖されたエビも含みます。その餌代は1頭あたり2万ドル(約240万円)に達します。その餌代は、ベルーガ、イルカ、アシカ全部の餌代を足しあげたよりも多いのです。


しかし、ヤク、キアナ、マリ、カユコスが水の中で栄養たっぷりのおやつを頬張っている姿を見たり、生後5週間の小さなルナに3時間ごとにシーフードでできた人工ミルクを与えなければならなかったことを考えると、その餌代が1円も無駄になっていないということを、きっと理解していただけるものと思っています。


だから、来る12月1日のギビング・チューズデー(#GivingTuesday)、寄付しよう(#YouOtterGive)、なのです。私たちが引き続きラッコたちに最高品質のエサをたっぷり与えることができるよう、応援を募っているのです。


ギビング・チューズデーを聞いたことがありませんか?これは国際的な事前活動の日で、「与える」日なのです。はじめはオンラインやソーシャルメディアを通じて行われました。だからギビング・チューズデーというハッシュタグ(#GivingTuesday)があるのです。この日、年末の募金シーズンが開始となります。世界中の非営利団体や市民団体、個人、家族、企業がギビング・チューズデーに協力します。寛大な寄付行為は、実世界を変える力になるのです。


シェッド水族館では、ラッコたちは毎日体重の20%から25%の魚、貝、エビなどのシーフードを食べます。成長中の子どものラッコたちは、高脂肪、高たんぱくのエサを毎日体重の3分の1ほど食べます。

ラッコたちの食事はおもちゃとしても与えられます。トレーナーたちは、魚の身が詰まった、貝のフロスティングのついた氷のケーキを作るのことも楽しんでいます。ラッコたちは、その氷のおやつを砕きますが、自然で貝をぶつけるのとさほど変わらない行動なのです。


毎朝5時にアボット・オセナリウム(訳者注:シェッド水族館の北太平洋の展示コーナー)のキッチンを覗くと、水族館のスタッフやボランティア、インターンたちが海獣たちや鳥たちのエサを準備しているところが見られます。その準備には6時間かかります。それぞれの動物たち専用のエサバケツに計量して入れる前に、そうしたシーフードは全て完璧な状態かどうか目視でチェックされます。


しかし、わたしたちが動物たちに与えるエサの検査はさらに深くまで行われます。わたしたちは、購入する天然ものの海産物がそれぞれ、自然の中で健全な状態であるかに注意を払っています。また、養殖の魚やエビについても、それらが持続可能な方法で行われているかに注意しています。したがって、そうしたエサはラッコにとって良いだけでなく、海にとっても良いのです。


動物たちに与えるエサに関してこのように意識を高くもつためには、余分に費用がかかります。しかし、わたしたちはそうしたものも、ラッコの健康や野生に生きる仲間のラッコたちへの投資であると思っています。世界中で行われるギビング・チューズデーに参加していただけたら、それだけで役に立てます。もしシェッド水族館とその住人たちをサポートしてくださるなら、ここをクリックしてください。寄付しよう(#YouOtterGive)!

らっこちゃんねるより

アメリカは寄付大国です。Giving USA財団の統計によると、2014年の1年間にアメリカ全体で行われた寄付の総額はなんと35兆円(!!)。GDPの2.1%に当たる額にのぼります。その72%が個人個人からの寄付というから驚きです。
追記:2016年度の寄付総額は3900億ドル(42兆9000億円)へと増加しています。(2017/11/28)

数年前からサンクスギビング(感謝祭)の次の火曜日は「ギビング・チューズデー」(与える火曜日)と呼ばれ、年末のチャリティーシーズンと合わせて積極的に寄付活動をしようという日になっています。
アメリカには非営利で活動している団体が無数にあり、そのほとんどが民間(個人や企業)の寄付によって運営が成り立っています。アメリカでは非営利団体で働くこともれっきとした職業として認められており、専門家であれば専門家としてふさわしい報酬を得ています。日本では非営利団体=ボランティアと誤解する方も多く、寄付金がそのような団体で働く人の給料に使われることに対し抵抗を感じる方も少なくないようです。自分たちがボランティアで活動を支援できない分、金銭的に支援して、その活動に専念する人とその活動を応援しようと考える人が少しでも増えてくれればいいと思いますが、会計の透明性などが気になって寄付を躊躇されてしまう場合もあるかもしれませんね。

アメリカの場合、公的な支援に期待できない部分があります。また、自分がお金を出すのであれば、何に使われるか分からない税金として払うよりも、ラッコを救いたい人はラッコ保護団体へ直接寄付する、DVにあった女性をサポートしたい人はそうした団体へ直接寄付したいと考える人が多いのです。そうした考えもあって、寄付活動が非常に盛んなのだろうと思います。また多くの団体がクレジットカードやPaypalなどで手軽に寄付でき(るシステムを持っていることも寄付のハードルを低くできている理由かもしれません。

アメリカの水族館は研究や保護、教育が目的になっており、非営利団体として登録されているところが多いようです。そのため、寄付した分は確定申告の際控除の対象となります。日本の水族館も非営利のところは控除対象になるのではないでしょうか。

 

いずれにしても、沿岸生態系にとって非常に重要なラッコを研究し、守っていくためにはそれなりの費用がかかります。保護施設や原油流出の際の洗浄施設などの維持にも多くのお金がかかります。そうした仕事に関わる人たちの生活もあります。飼育施設ではラッコたちのエサ代ももちろんかかります。この機会に、ほんの少しでもそうした人々やラッコたちを支援してみませんか。

 

ラッコの保護団体及び、ラッコを飼育している日米その他の水族館のリストはこちらから。
アメリカ・カナダの保護団体・水族館についてはDonate (Donation) 等の表示がウェブサイトにありますので、そこから寄付することができます。(クレジットカードもしくはPaypal等)
日本の水族館については、寄付を受け付けているかどうか、また寄付方法について各館へ直接お問い合わせください。

皆様のご協力をお願いいたします。

Shedd Aquarium

Five Reasons Why #YouOtterGive on #GivingTuesday

NOVEMBER 20, 2015 —Karen Furnweger, web editor