【記事】コーキーについてのご報告 | Update on Corky 

 本日は、2015年10月7日付けで発行されている、バンクーバー水族館のニュースレターメールから、コーキーについての報告をご紹介いたします。前代未聞の手術についてはカナダの多くのメディアが伝えていたので、心配していた会員も多かったのでしょう。会員に対するこのような丁寧な報告に、心を打たれました。こうすることでますます水族館をサポートしようという方も増えるのでしょうね。

バンクーバー水族館のサポーターの皆様へ


8月にトフィーノで発見され保護されたラッコ、コーキーは水曜の早朝、自身の負った怪我に打ち勝つことができませんでした。この知らせをシェアしなければならないことに、私たちは非常に深い悲しみを感じています。おそらくボートとの接触時に受けたと思われる怪我を負い、彼の命を救うべく、月曜の夜、コーキーはラッコにとっては前例のない手術を受けました。バンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターと国際的な獣医のチームによる懸命な努力の甲斐なく、コーキーは回復することができませんでした。


コーキーは8月13日にトフィーノ付近で保護センターのチームにより保護されました。主席獣医師のマーティン・ハウリナ博士は、肋骨の骨折により皮下気腫が引き起こされ皮膚の下に空気が溜まっているといいました。水に潜ってエサを探すことができないため、コーキーは野生にいると生命の危険に脅かされるため、保護センターに移送されました。気腫が治まり、追跡検査が行なわれましたが、検査はコーキーの腎臓の片方が破裂しているようだと示唆しました。


月曜の夜、コーキーは、ラッコ初となる腎摘除(腎臓の摘出)、膀胱から血栓を取り除く膀胱切開、そしてまたラッコ初となる輸血を受けました。バンクーバー水族館に住む4頭の保護されたラッコたちのうちの1頭、エルフィンが輸血の提供者となりました。こうした処置はシアトル動物外科クリニックのアレックス・アギラ博士、シアトル水族館の主席獣医師レザンナ・レーラー博士、そしてバンクーバー水族館のフェロー獣医師カリサ・タン博士にとって行なわれました。


「コーキーのケースは、非常に印象的な救出活動でした」とポート・メトロ・バンクーバーの提供によるバンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターのマネージャーであるエミリー・ジョンソンは言います。「この手術は驚くべきものではありませんでしたから、私はコーキーが切り抜けてくれるものだと思っていました。コーキーは非常に強い意志があったらからです。特別な、かわいい子でした」


「コーキーが重篤だということは私たちはわかっていましたし、その賭けは不利なものでした。しかし、わたしたちは、新しい手術の技術を含め持てるもの全てを尽くしました」とバンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターの主席獣医師、マーティン・ハウリナ医師は述べています。「コーキーから、私たちは非常の多くのことを学ばせてもらいました。コーキーに対する治療は、獣医学的な知識に大きく貢献し、将来の保護活動のために、きっと私たちの役にたってくれることでしょう」


私たちの海洋哺乳類保護プログラムによる今回の仕事は、世界中の多くの同様の手術にとって基準となります。この、コーキーや他の同様のケースを救うための非日常的で開拓的な努力は、海洋哺乳類を治療し、病気を予防し、診断し、保護するよりよい道を完全にあらわにする、非常に素晴らしい機会を提供してくれました。皆様がどのように私たちに手を貸してくださることができるかについては、海洋哺乳類保護センターのウェブサイトをご覧ください。


コーキーの治療や世話にあたっていた私たちのスタッフやボランティアたちにとって、これは非常に辛い別れですが、この間継続的にサポートしてくださった皆様に感謝申し上げます。


敬具


John Nightingale, PhD

ジョン・ナイチンゲール, PhD

President & CEO

代表・最高経営責任者

Vancouver Aquarium Newsletter
Update on Corky
October 7 2015