【記事】カリフォルニアラッコ、絶滅からの復活 | Comeback of the century: The California sea otter's return from the brink of extinction

 本日は2015年8月26日付のMarshableより、"Comeback of the century: The California sea otter's return from the brink of extinction"をお届けします。8月31日から9月2日までPBSとBBCで放送されるBig Blue Live。モントレー湾とそこに生きる様々な動物たちに焦点を当てた3日間連続番組についての紹介です。

ケルプに包まって浮いているラッコ。モントレー湾で。IMAGE: AP PHOTO/KEITH A. ELLENBOGEN/ASSOCIATED PRESS
ケルプに包まって浮いているラッコ。モントレー湾で。IMAGE: AP PHOTO/KEITH A. ELLENBOGEN/ASSOCIATED PRESS

50年ほど前、カリフォルニア州モントレー湾にはケルプの森の機能を助ける重要な要素が欠けていました。ラッコです。しかし、今、誰もが大好きなこのイタチ科の水棲動物は復活を遂げ、環境をきちんとコントロールしています。


8月31日からPBSとBBCが、そうした環境をBig Blue Liveで探検します。3日間にわたるライブストリームにより、モントレー湾、カリフォルニアラッコがいなければ決して存在しえなかったこの海に暮らす動物たちを紹介します。


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PBSとBBCはこの可愛らしい小さな動物に関する番組の一部を特別にMarchableに公開してくれました。クリップ動画は下記の通りです。この動画で、保護研究者であるM.サンジャヤン博士はモントレー湾においてラッコがどのように他の生き物の存在の維持を助けているかを説明しています。

可愛らしく、抱きしめたくなるだけでなく、ラッコはその環境ーここではラッコたちのふるさとでもあるカリフォルニアの中央沿岸部ーにとって欠かせない存在です。ラッコは、今でも脆弱ではありますが、モントレー湾エリアだけのキーストーン種と考えられています。つまり、ラッコはケルプの森を活動的にまた健全に保つ上で非常に重要な役割を果たしているのです。


海洋哺乳類を専門に研究している比較解剖学者、ジョイ・リンデンバーグ博士によると、その代わりにケルプの森はその周辺域において動物たちを迎え入れる手助けをするという責任を負っています。


「ケルプの森は多くの大きな魚たちや比較的小さな無脊椎動物、甲殻類やカニなどの繁殖地を提供しますが、また、ケルプの葉に隠れてこうした生き物たちが捕食者たちから身を守るための、保護膜のようなものを提供するのです」と歯かsはマーシャブルに語りました。


しかしそのためには、ケルプの森を健全に保つ必要がありますが、その健全性はケルプを食べてしまうウニの数がコントロールされなければ悪化してしまいます。ケルプの森の健全性が悪化すると、その他の動物たちが危うくなってしまいます。そこでラッコの出番です。


「そこでラッコが登場するのです。ラッコはウニを食べ、その数をコントロールするからです」レイデンバーグ博士は言います。


Big Blue Liveに協力している保護研究者M.サンジャヤン博士によると、20世紀半ば、モントレー湾にはケルプの森はほとんどありませんでした。なぜなら、当時ラッコは絶滅に瀕していたからです。


ラッコの数は毛皮貿易や原油流出により脅かされ、最近はサメにより脅かされてきましたが、少しずつ回復してきています。カリフォルニア大学サンタクルーズ校によると、ラッコは今もまだ脆弱ではありますが、その数は増加の兆候を示しています。


1972年の海洋哺乳動物保護法は、明確にアメリカの海域における海洋哺乳類漁を禁止しただけでなく、その環境に住む動物たちへのハラスメントも禁止しました。


「それは非常に助かりました。ラッコを殺すことは禁止されましたが、ラッコがハラスメントを受けない保護区のような場所を与えてあげる必要があるからです」レイデンバーグ博士は説明しました。「その動物を殺してへいけないというのは保護の一部ではありますが、動物に近づきすぎることもまたいけません。動物にハラスメントをすれば、その地域で繁殖することができないかもしれないからです」


近づきすぎることはラッコの生息数に対して恐ろしい影響を及ぼします。「近づきすぎると、ラッコの行動を邪魔することになります。例えば、交尾を邪魔する可能性もあります。そうしたことはラッコが生き延びる手助けにはなりえません」


下の2番目の動画にあるように、ラッコのグルーミングをする人間はラッコが人に慣れすぎないようにマスクをつけます。そうすることで、ラッコが環境によりよく適応できるように手助けするのです。

海洋哺乳動物保護法による妨害の禁止により、ラッコの生息数、更にはモントレー湾のケルプの森と他の動物たちの数も大きく変化しました。ラッコの復帰により、様々な生き物たちが集まることができるようになりました。Big Blue Liveは3日間に渡り、そうした生き物たちを追います。


その番組で見ることができるでしょうー可愛らしく、抱きしめたくなるような、モントレー湾の健全性と幸せの重要な一部分である、ラッコたちを。


Big Blue LiveはPBSで8月31日から9月2日まで夜8時の放送です。