【記事】油に汚染されたラッコ、オリーブのお話 | The Story of Olive the Otter

本日は、海洋学やラッコの研究で有名なカリフォルニア大学サンタクルーズ校が運営するラッコの解剖学や保護に関するウェブサイト、The Inner Otterから、"The Story of Olive the Otter"をご紹介します。今回は自然に染み出た原油による汚染でしたが、原油流出による汚染からラッコを救出する方法を検証する大きな機会となりました。

これは、油に汚染されたラッコのリハビリが成功した一つの例です!このオリーブという名のラッコは、体毛が油に汚染された状態で打ち上げられていたところを保護され、油汚染野生生物救護ネットワークの会員である組織で洗浄され、リハビリを受け自然に返してもらうことに成功しました。

2009年2月21日、サンタクルーズ郡のサンセットステイトビーチに一頭の若い雌のラッコがいるとの通報がありました。この打ち上げられたラッコは生きていましたが、酷く油で汚染され、やつれて不活発になっており、人間による関与が必要な状態でした。海洋哺乳類センターの熟練したチームが緊急出動し、この油で汚染されたラッコを保護しました。

©Inner Otter
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このラッコはまずモントレーベイ水族館で診察を受け、安定させられてから、洗浄とリハビリを行うため、サンタクルーズの海洋哺乳類獣医医療研究センターへ移送されました。体毛に付着していた油は濃く、タール状のもので(後日、それは自然に染み出たものと判明しました)、事前にオリーブオイルでそのタール状の油を柔らかくしてから、希釈した食器用洗剤で洗浄されました。オリーブオイルで体をこすったため、そのラッコはその後オリーブと呼ばれるようになりました。

©Inner Otter
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オリーブは到着後海洋哺乳類獣医医療研究センターで24時間体制のケアを受け、その後数か月のケアを必要としました。その間、体重はもとに戻り、体調も改善していきました。オリーブは最近改善されていた油に汚染されたラッコの洗浄後の実施要項を試す機会を与えてくれました。オリーブがうまく、迅速に回復したことにより、その実施要項は有効であることがわかりました。将来的に、油で汚染されたラッコを扱う際にはこの実施要項が使用されることになるでしょう。

©Inner Otter
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2009年4月のはじめ、体重が標準に戻り、獣医により健康状態に問題がないと判定されたため、オリーブは自然に帰ることができると認定されました。自然に返した後、個体を特定し、観察することができるよう、オリーブは体内に短波無線機を埋め込まれ、色のついたタグを足ヒレにつけられました。

©Inner Otter
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2009年4月7日、オリーブはサンセットステイトビーチで自然に返されました。その後カリフォルニア州魚類野生生物局がオリーブを定期的に観察しており、スムーズに自然環境へ戻った様子であることが分かっています。

©Inner Otter
©Inner Otter
©Inner Otter
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 オリーブは2012年の7月に、健康状態を調べるため再度捕獲されました。血液検査や身体的な検査では他の健康な野生のラッコたちと同様の値を示しました。その検査の結果、オリーブは妊娠していることも判明しました(知る限りでは初めての妊娠)。2012年9月には最初の子どもと一緒にいるところが、2013年の7月には2頭目の子どもと一緒にいるところが目撃されています。オリーブは立派な母親になったということを示しました。今後も引き続き、オリーブは健康状態や繁殖状態を追跡調査されることになります。オリーブに関する最新の情報は、 Facebook ページをご覧ください。

Photograph courtesy of Joe Tomoleoni
Photograph courtesy of Joe Tomoleoni

カリフォルニア州魚類野生生物局によるオリーブの動画
油を落としてもらった後のオリーブの様子です。

追記(らっこちゃんねるより)

オリーブはリリースされてから数頭の子どもを産み育てました。しかし、2015年3月22日、カリフォルニア州サンセットビーチで死んでいるのが発見されました。死因はサメの噛みつきによるものでした。詳しくはこちらの記事(【記事】ラッコの啓蒙大使「オリーブ」、サメの咬み傷により死亡 | Species Ambassador Olive the Sea Otter Dies After White Shark Bite)をご覧ください。

記事元:
The Inner Otter

The Story of Olive the Otter