【記事】海、私たちの裏庭~ラッコの日常~ | Dan Haifley, Our Ocean Backyard: Researcher offers insight on life of sea otters

今回は2014年11月7日にSanta Cruz Sentinelに掲載された記事、"Dan Haifley, Our Ocean Backyard: Researcher offers insight on life of sea otters"をご紹介します。ダン・ヘイフリー氏による3回のコラムシリーズの2回目です。

Female sea otters with pup. (Amber Jones -- Contributed)
Female sea otters with pup. (Amber Jones -- Contributed)

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の非常勤の生物学教授、ティム・ティンカー氏によると、カリフォルニアの沿岸に生息する2,944頭のラッコはよく眠るそうです。ラッコは1日に8時間から10時間寝ますが、人間とは異なり、残りの24時間のうち4時間から6時間増えることもあります。目が覚めている間は餌を食べるか、毛づくろいをしたり移動したり、他のラッコと戯れたりします。


一日を通じて目覚めている間の活動をやりくりすることにより、ラッコたちはよりよく体温を保持することができるのです。昼間同様、夜にも餌を食べます。


餌を獲るのに費やす時間は、好みの餌がどのくらい豊富にあるかによります。ティンカー氏はモントレーのようにラッコの生息密度が高く餌に対する競争が激しくなる場所においては、40%もの時間を餌探しに費やすこともあります。しかし、サンタバーバラのような、ラッコの生息密度が低く、好みの餌が豊富な場所では、餌を獲るのに費やす時間は1日の30%、約7時間にすぎません。


メスのラッコは3歳になると出産可能になり、通常、大人としての残りの12年から16年の間、子どもを持つことができます。


出産の時期は一年を通じて可能ですが、秋もしくは春の早い時期に多いようです。子どもは母親に6か月ほど依存しています。自立後は母親ラッコは再び交尾を行い、6か月の妊娠期間後子育てを行います。


ティンカー氏によると、オスは5歳から7歳になると縄張りをつくるそうです。その範囲は海岸線で4分の1マイル(約400m)程度で、その範囲から他の大人のオスは排除されます。


しかし、全てのオスが縄張りを持っているわけではありません。生息範囲の北端や南端、またケルプがほとんど生息しないモントレー湾の海底が砂地の場所では、オスが支配しているところで集まるラッコもいます。


ティンカー氏は、死亡率があまり高くなければ、出産によって個体数は増加するはずだと述べています。また、1900年代に激減した結果、遺伝子の多様性が減り、それがラッコの個体数回復を制限しているのではないかという説には疑問を持っています。

「カリフォルニアのラッコの出生率は、アラスカラッコと同じです。また、生息域の拡大率も非常に似ています。しかし、カリフォルニアの沿岸生息域の性質(狭い)により、北へも南へも生息域を拡大することができないのです」


アメリカ地質調査所の報告によると、ラッコの生息数は頭打ちになっており、その原因は生息域の北端及び南端でのサメに噛まれることによる死亡率の増加がみられるためとしています。


生息域の中央ではサメに噛まれるということがほとんどありません。そこでは、利用可能な食糧資源と個体数が釣り合っているため、これ以上個体数が増えることはなさそうです。「基本的に、更に個体数を回復するためには、更に生息域を広げることが必要ですし、生息域の端での個体数がもっと増えなければなりません」とティンカー氏は述べています。


次のコラムは:南へ---ケルプ床をもたらす?


ダン・ヘイフリーはO'Neill Sea Odysseyのエグゼクティブ・ディレクターです。お問い合わせはdhaifley@oneillseaodyssey.orgまで。

記事元:
Santa Cruz Sentinel NEWS

Dan Haifley, Our Ocean Backyard: Researcher offers insight on life of sea otters

By Dan Haifley POSTED:   11/07/2014 12:30:37 PM PST