【記事】森林火災がラッコに与える影響 | Wildfires Cause Trouble for Sea Otters

この時期になると、カリフォルニアでは毎日のように森林火災のニュースが流れます。8月1日掲載の、森林火災がラッコに影響を及ぼしているというKRCBのニュースWildfires Cause Trouble for Sea Ottersをご紹介します。

森林火災の季節になりました。しかしその影響は陸上にとどまりません。州のいたるところで大きな森林火災が起こっていますが、研究者たちは今週、森林火災がラッコのような海洋哺乳類に健康に被害を及ぼす可能性があるという研究結果を発表しました。

 

森林火災には良い面も悪い面もあります。森林火災によって、植物の再生が促され、枯れた枝や幹、樹皮などが一掃されます。しかし同時に、PAH(多環芳香族炭化水素。有機汚染物質の一つ)として知られる環境汚染物質をも生み出します。そうした物質は、例えば、直火で肉を焼くように、物が完全に燃えきらなかった時に残るものです。森林火災の後、こうしたPAHが川に流れ込み、最終的には海へたどり着きます。

 

アメリカ地質研究所の生物学者リザベス・ボウエンは、森林火災由来のこうした物質が、いくつかの生物においてどのような影響をあたえるかを調査してきました。2008年、調査のためのラッコの捕獲が予定されていた数週間前、カリフォルニア中央部の沿岸近くで2つの大きな森林火災が起こりました。(the Basin Complex fire と the Chalk fireという火事です)

 

1年後、彼らは同じ場所でラッコを再度捕獲し、2つの条件下間で遺伝子発現を比較することができました。火事直後でPAHが高濃度だった時、ラッコたちの免疫機能が抑えられてしまっていたことが分かりました。これらの影響は、原油流出後の影響と似ていました。免疫機能が抑制されてしまうと、その環境にある他の汚染物質や病原体とたたかえる力が少なくなります。

 

「私たちが(森林火災から)ラッコを守るためにできることは、まったくありません。」ボウエン氏は言います。「でも、それを知っていることは大切です。ある動物の数や、その種、ある地域を管理しようとするなら、森林火災が起こってしまったらどのようなストレス要因を軽減できるのか、考える必要があります。」

元記事:

KRCB "Wildfires Cause Trouble for Sea Otters"

By DANIELLE VENTON

AUGUST 1, 2014